次進塾メイン講師の武沢です。私は毎年7月の第一土曜日、山形県鶴岡市の N 社におじゃましています。 N 社の「経営計画発表会」が行われ、激励講演するため。

業績や財務の数字は公開できないのが残念ですが、高いレベルで増収増益を実現。最高決算を更新中であり、財務内容も非常に良い状態。

N 社の主力顧客は精密機器大手の NK 社。同業他社と同じ土俵で仕事をしていたら見積もり競争になる。いつまでもそういうところで勝負をしていては明るい未来が描けない。

N 社長は、無競争分野への進出を計った。無競争、「言うは易く行うは難し」だが、N 社はそれを行ってきたのです。

成長し、ステージが上がると何が変わるのか

懇親会でN社長に「胸を張れる会社になりましたね」と水を向けるとその場で否定されました。財務的に誇れる状況になったとはいえ、会社と社員の成長スピードに不満とのこと。

レベルアップしなきゃならないのに、全然出来ていないことや、教育が行きとどいていないことが目立つようになってきた

とN社長。

過去はそのやり方で良かった。だけど今はそれでは通用しないし、今後はまるでダメ。そういうことです

経営者としてのステージが上がったのです

他にもこんなエピソードがあったそうです。生産性を高めるためには、機械の稼働率を高めようとなった。しかし、稼働率とはなにかについての考え方が浸透していない。

現場は、とにかく機械が動いていたら稼働しているものだと考えがち。しかし、本当の稼働とは、スピンドルが切り子を出している時間。いかに機械を止めないか、いかに機械に仕事をさせるかというプロの職人根性がまだ足りないと──

N社長とは10年近いおつき合いになります。

年齢は私より二つ先輩。とかくN 社長は勉強熱心。唯一の娯楽が乗馬だそうで、あとは、寝ても醒めても経営の勉強と実践をしておられる。まるで経営者になるために運命づけられたかのようだが、ご本人いわく、そうでもない。

「僕は次男坊だし、親父が急逝するまではサラリーマンとして全うするつもりで生きてきた。だから、自分が経営者になることなんて30歳ぐらいまでは思ってもみなかった」

経営計画発表会が終わると社長以外の全員(300名)が懇親会場に。社長は我々来賓をひきつれておもてなししてくださる。温泉旅館で夕食会と交流会を設営されるのだが、N 社長は 宴会場でいつも末席に座られます。

しかも10名の来賓ひとりひとりを N 社長が時間をかけてご紹介くださる。そうした真摯な姿に頭がさがります。

応援させてください

周囲が自然にそう思える力がある経営者です。

経営力とは才能ではなく能力。後からいくらでも伸ばしていける物なのです。

経営者が立ち上がれば会社は変わる

明治維新当時、日本の人口は約3,400万人でした。そのうち、幕末の志士として明治維新の革命運動に参加したのは約4,000人だったそうです。

分母が3,400万人で分子が4,000人ということは、人口の0.01%(1万人に一人)が立ち上がれば国は変えられるということ。今の日本の人口は約1.27億人なので、1.27万人が立ち上がれば国は動くのです。

私はこのことからふたつ感じたことがあります。1つは希望、1つは落胆。

  1. 革命はたったそれだけの比率(0.01%)でできるのか、という希望。
  2. 誰かのために立ち上がることができる人は、そもそもその程度の比率しかいないのではないかという落胆。

「会社を変えるのは大変です」と言う経営者がおられます。たしかに容易ではないが、国を変えるエネルギーに比べれば容易なはず。

0.01%が変われば会社が変わるということは、どうみてもあなた一人が立ち上がれば必ず会社は変えられる。なぜなら10,000人以上の会社は日本に60社前後しかないからです。

もし今あなたが社長ならば、あなたの会社を変えるための「革命」はとても簡単。あなたの革命計画を「経営計画書」にまとめればよいのです。もちろん、それが一番大変。充分に心が奮い立つような企業変革計画が必要です。

あなたが立ち上がれば、会社は変わります。