開催レポート

第3回:財務と4ステップマーケティング

第13期経営次進塾、第三講が12月2日と3日、2日間行われた。今回のテーマは「財務」。

熱海合宿から二週間しか経っていないので、前回から受講生は忙しい日々を過ごしたが、今回は経営の肝になる「お金」について。学ぶことはたくさんあるが、受講生は気を引き締めて席に着いた。

武沢先生の講義を始める前に、本日はゲスト講義

CKP認定コンサルタントとして活躍されている山根透先生が、「4ステップマーケティングの概念」について語ってくれた。

そもそも4ステップマーケティングとは、塾長の石原明先生が提言しているマーケティングの法則で、経済成長が右肩上がりから右肩下がり、そしてインターネットの普及により情報化社会となった時代に、フィットした考えである。

具体的にその4ステップとは、

  1. 集客
  2. 見込み客フォロー
  3. 販売
  4. 顧客化

この4ステップを実際に体現され、結果を残して来られた山根先生が、わかりやすく語ってくれた。山根先生は鳥取出身で、芸術大学を卒業後、広告代理店でトップ営業マン、注文住宅会社では売り上げを5倍増に牽引したマーケターとして活躍。

その後、中古農機具の貿易会社の役員として参加し、業界でトップシェアーを取る会社まで成長させた。32歳で経営コンサルタントとして独立してからは、この4ステップマーケティングを、顧問先の現場に合う形で調整し、それを予実管理まで落とし込むように仕組み化している。

まずは冒頭早々山根先生から、『4ステップで一番大切なプロセスはどこですか?』という質問を受け、受講生は頭を悩ませた。

それは全て大事なプロセスだと理解しているのに、その中でも一番があるのかと考えさせられたからだ。

その答えは「顧客化」であった。意外な答えであったが、ここが重要と説くその理由は、会社の現状がわかる最大の要素が詰まっているからだという。

その要素とは、現在の売上の中で、どの顧客がどの程度売上を計上しているかを定量化していくことである。

そこから見えてくるのは、パレートの法則でいう『2:8の法則』。

顧客の上位2割が、売上の8割を計上しているという事実を明らかにすることにより、その2割の顧客に向けて『集客』『見込み客フォロー』へとプロセスが繋げていくことが戦略となってくるからだ。

質疑応答の時間では、ある受講生から『見込客の選別どうすればいいのか』と質問があった。

山根先生は、『社員が自社の真の顧客は誰なのか?をしっかりと認識しないと選別はできない。その為には会社の理念や方針、つまり『経営計画書』が大切になってくる。

自分たちは何をやる会社で、どんなお客様に、どんなサービスを提供するのかを認識する事。

その為にはデーターベースで顧客の購入履歴を抑えておくことが重要になる』と、目からウロコのお答えだ。

マーケティングの話と思いきや、今回の本題でもある財務に直結するような数字にまでフォーカスした内容に、受講生は一つのオプションとしてマーケティング脳をインストールされたようであった。

 

今回の本題でもある財務に関して話を進めよう。

全ての経営者に『数字は得意ですか?』と尋ねて、『苦手』と答える人は少なくはない。しかし経営者が他の人と違うのは、『数字を知らないことは死活問題』と強く認識していることに尽きると思う。

そんな中、武沢先生は丁寧に「貸借対照表(BS)」と「損益計算書(PL)」を図解にしてわかりやすく教えてくれた。

ここでは軽く損益計算書(PL)について触れてみよう。

例えば、150円で販売している清涼飲料水がある。仕入れ値が70円(原価)で、その差し引き80円(粗利益)と図が完成する。

ここでの粗利益利率は、80÷150×100=53%

粗利益とは付加価値高とも言い、商品の宣伝、飲み頃にして提供する事、バラ売り、24時間販売など消費者にとって価値と感じられる行為に対する金額である。

武沢先生は粗利益率が重要な指標になると言い、できれば年々、この粗利益率が上がっていくような経営、つまり付加価値が年々高まっていくような経営を目指すことが重要であると説いている。

ここで、授業で取り上げられた『5つの利益』について触れてみよう。

1、 粗利益
→販売額から仕入額を引いた額。

2、 営業利益
→粗利益から人件費など経費を引いた額。営業利益率は平均2〜3%と言われているが、目標10%超を目指したい。ちなみにこの指標は、今の本業の活動によってもたらされる数字になり、健全か不健全かを見極める重要な要因にもなる。

3、 経常利益
→営業利益から営業外費用、借金の金利を引いた額。経営の体質がもたらす利益で、過去やってきた経営のプロセスを反映した数字となる。

4、 税引前利益
→経常利益から特別損失(土地や株を売ったときの損失など)を引いた額。

5、 純利益
→税引前利益から法人税、法人事業税、法人住民税(上限40%)を引いた額。

このように図解にすることで全体的なお金の流れがわかるようになる。

これを月別、年別でBS、PLを何度も見て行くと、数字アレルギーがなくなるだろう。

魅力的な企業の条件として、「新4K」の話も引き込まれた。他社と比べて魅力的な企業に成長する上で、具体的な数字目標であるので、そのエッセンスを。

1、 高成長 (粗利益の10%の成長率)

2、 高収益 (営業利益率10%)

3、 高財務 (自己資本比率50%以上)

4、 高待遇 (社員、役員の給料平均以上)

これらの4条件を満たしている企業はどのくらいあるのかを調べるのに、有効な情報がある。日本経済新聞社が発行している『日経会社情報』だ。

 

今回はその中から武沢先生が注目する、上場企業50社をリスト化してくださり、皆で優秀な企業の財務に関して触れていった。

業種ごとに分かれているこの会社情報では、とりわけ『営業利益率』と『自己資本比率』を各社毎に注目していき、重要な指標ポイントを押さえていった。

今回、先生が作成したこの資料は、ご本人曰く、この会社情報に目を通してからデータ化するまで、約3日、時間がかかったという。

先生はこの作業から、優秀な企業を見つけ出せるようになると言うが、決算書の数字同様、『慣れ』が必要である。しかし抑える点を絞り、数をこなしていけばその精度は確実に上がって行くと先生は付け加えた。

今回の発表は、『我社の5カ年財務計画』について。受講生はその準備のために、個人ワークに時間を費やした。武沢先生のテキストには、印刷したものだけでなく、データーで渡されるものもある。

そこで今回は、渡されたデータファイルに、過去3期分の決算書の数字を入力し、今後の目標となる、向こう5年のリアルな数字に落とし込んでいった。

今回の発表でポイントとなる「損益マスタープラン」というコンテンツに注目してみよう。

この表に売上高や売上原価、経費、利益など決算書に記載されている数字を入力すると、総利益に対して自社の分配率がでる。

武沢先生の黄金律と比較しながら、自社の数字を分析することができる。

表の下のメモ欄には「労働生産性」という項目があるが、この数字が上昇すると、昇給や休日を増やす余地が増えるという一つの判断基準となる。

ちなみに計算式は「売上総利益」 ÷ 「平均従業員数」 = 「労働生産性」

またこの「労働生産性」を「人件費」で割ると「労働分配率」となり、この「労働分配率」は、平均40〜60%が目安とされている。

受講生は5カ年計画の中で、従業員の数を増やしつつ、生産性も落とさないよう、分配率にも気をつけて5カ年計画を作成していた。

武沢先生は終始、受講生の机を周り、しっかりと時間をかけて数字の捉え方や考え方のサポートしていた。そのおかげで、受講生は自信あふれる「我が社の5カ年計画」を発表していた。

今回、ある受講生の作成したデーターが注目を浴びた。それは毎期ごとのバランスシートが一覧でわかるもので、これには武沢先生をはじめ皆が「分かりやすい」と驚いた様子。

その受講生は、皆にも使って貰えるようにデーターを共有し、仲間意識が高まる次進塾のいい雰囲気を感じた。

授業の最後にDVD学習もあった。今回も日本電産の「永守重信氏」とヤマト運輸の「小倉昌男氏」の経営観について触れた。

お二人に共通して「意識を変えさせる力」「信念の強さ」「先見性・論理性」が映像から伝わってきたが、何よりも「説明能力の高さ」が受講生に深く突き刺さったようだ。

すでに市場には出ていないDVDなので、ある受講生が武沢先生に1ヶ月間のレンタルをお願いしていた。

今回の総括で語った本塾アドバイザー雨宮氏の一言が、大変印象的であった。

MBAを取得している雨宮氏は、『抽象的な数字管理の授業が多かったMBAの授業に対し、武沢先生の授業は、現場レベルで実践的に使える内容で、更にそれらを実際の作業にして落とし込めるワークも多く、非常に価値を感じた』と言う。正に、本塾の特徴を言い得ていると思う。

来月は内部管理について学んでいく。採用とは?教育とは?統制とは?また人事評価とは?・・・・

企業は人で成り立っているというだけあって、人にまつわる問題を抱えている企業も多いだろう。次回もゲスト出演があり、更に内容の濃いものになっていく。

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第2回:いよいよ熱海合宿が始まりました

11月18日と19日、経営次進塾恒例の熱海合宿が行われた。会場は迎賓館。熱海 小嵐亭。明治29年、皇太子の教育主任、東宮大夫であった曽我祐準(そがすけのり)子爵が竣工させた静寂な佇まいで、紅葉も生えた見事な庭園を目の前にし、受講生も日常とは違う空間で経営を学び、自分と向き合えることで期待も膨らむだろう。

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第13期経営次進塾がスタート!

2016年10月21日(金)、「第13期経営次進塾」が始まった。経営次進塾は究和エンタープライズコンコード株式会社(東京神保町、松本殊和社長)主催の経営者育成塾。

経営コンサルタントの石原明が監修の元、10年ほど前から始まった。現役経営者や次世代の経営者が経営を体系的に学び、同時に自社の目標や課題を克服するための経営計画書を完成させるという本格的な経営講座。過去100名以上の修了者を生みだしてきた。 続きを読む→

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なぜテーマは「経営計画書」なのか? メイン講師  武沢信行本人出演 「全三回無料ネットセミナー」14期次進塾の受講をお考えの方へ 「プレセミナーにお越し下さい」
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