経営者の仕事は道を説くこと

50歳までに引退して南の島で隠遁生活を送りたい、というような願望をもつのは自由ですが、本気になってそんなことを考えているようでは成功する経営者になれません

なぜなら、それはつまりお金を貯めたら働く必要がなくなる」と思っていることを表しているからです。仕事や会社経営に対する哲学やビジョンがない人は往々にしてそのようなことを言います。

「上人おおいに燃ゆる  中人おおいに悩む  下人おおいに笑う  下人笑わずして道ならず」という言葉があります。

経営者であるあなたが真の道を語ったとき、それが理解できるトップクラスの人間だけが大いに燃える。

中間クラスの人間はそれが理解できなかったり、やり方が分からなくて悩む。下のクラスの人間はそんな話を聞いても、”ハハハ、そんなバカな”、”ムリに決まってる”などと笑う。世間は、あいにく下のクラスの人間が多い。だから、笑われてナンボなのかもしれない。

まず経営者は、道を説けるようになること。つまり会社の理念やビジョンを滔々と語ることができるようになることが大事です。

そして、それを発奮して聞いてくれる相手を探し出すこと。『経営次進塾』では、経営理念づくりの時間を通して上人大いに燃ゆる会社の未来図を表現していただくことになるでしょう。

経営戦略を立てる

毎年3月と9月は決算の会社が多く、おのずとこの時期には経営計画発表会が多くなります。

新聞の発表では7割の会社が赤字だそうですが、こうした発表会を毎年行う会社は大半が黒字です。経営計画書威力がそこにあるわけです。

しかし、最近の傾向から気になることもいくつかあります。

それは、経営計画書がだんだん小粒に感じられるようになっているということ。

数年前まではどの会社にも「中長期構想」や「将来ビジョン」などのページがあった。しかし、 最近は単年度計画しか作っていない会社が目立つ。したがって社員から「ビジョンがみえない」「夢が感じられない」などの声が懇親会の席で聞かれることも。

「戦略なき国家は滅びる」といわれるが、企業も同じ。経営計画書の中に、明確に戦略が明記されていなければなりません。中小企業にとっての戦略とは何かということをあらためて考えさせられる。

「戦略」という言葉は本来が軍事用語です。敵が存在し、その敵に対してどのように戦うかを考えるおおもとの作戦を戦略と呼びます。

したがって、逃げることも戦略、籠城(ろうじょう)作戦で日数をかせぐことも戦略、野戦で真っ向勝負することも戦略、 奇襲作戦も和議などの外交交渉も戦略。

ちなみに、軍議において布陣を決めたり、戦いの開始時期を決めたりすることを戦術という。敵に対する接し方は多数あるものの、相手の出方に応じて臨機応変に戦略を組み立てるわけですね。

しかし、企業の経営戦略となると、とたんにむずかしい印象になってしまいがちです。ただ実はそうでもありません。

重要な4つのこと

次の四つのことがきちんと書かれていれば事足ります

  • なぜうちの会社は競争に勝つ必要があるのか(勝ったあとの世界を大義名分で語る)
  • なぜうちの会社は勝てるのか(勝ち方の作戦書)
  • そのために各部門と社員は何を果たすべきか(実行計画)
  • 勝ったあとの成果と配分(論功行賞、ろんこうこうしょう)

以上のことが具体的に書いてあれば良いのです。

少しだけ難しくいえば、孫子を知ることです。有名な言葉に、

「彼を知り己を知らば、百戦殆うからず、彼を知らず己を知らば、一勝一負す。彼も知らず己も知らざれば戦う毎に必ず殆(あや)うし」

というのがあります。

つまり、敵情を知り、わが力をも知る場合は、戦いに敗れることはない。敵情とは経済全体の流れや市場のニーズ、業界の動向、ライバル企業の動きのことだ。そうした外部与件を経営陣全体で共有しておくこと。こうした情報は、新聞やネットなどから入手できるので、その都度切り抜いたりブックマークすれば充分なデータベースになります。

ライバル企業の経営や商品に関する情報は、意識して入手する必要も。よく観察していくと、売れている商品とそうでない商品が判ってきます。

売れている商品は長く売られている商品であり、売れない商品はすぐに消えてしまう。組織図なども入手できれば、ライバル企業が経営上で打つ手も見えてきます。

己を知るとは、内部与件のこと。人・物・金の状態がどのような競争力をもっているのかを再確認し、経営陣全体で認識を共有すること。「人」の問題とは、社員の士気や能力をいかに高めるかということです。

「物」とは、競争力ある商品やサービスをいかに作るかということだ。「金」とは、必要な資金をいかに調達するかということである。そうした環境認識のもと、上記の四つのことが社長の言葉で書きつづり、魂をこめてそれを訴えればよい。あとの具体策は幹部以下から知恵が集まるようになるのです。

このように、「経営計画書」を作るという作業を通して経営を学び、今日とは違う明日の我社を考えていただく貴重な半年間が『経営次進塾』です。

講師から学び、ゲスト講師からも学び、塾生同士学びあい、会社にもどって会社から学び、なによりも自分自身の知識と経験を総動員してまとめあげる一冊の経営計画書は、たかが経営計画書、されど、すごい経営計画書でもあります。

なぜなら、あなたの意思がすべて凝縮されたあなたの分身、いや、あなた自身がそこにあるといえるのです。